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2018.04.09

【S.A.T.Cブログ】トレーニングをはじめるにあたり

テニスだけでなく、全てのスポーツが、その競技練習のみをすれば良い。というこではない事は周知の事実。近年のトレーニング論の進歩はすごい。様々なトレーニング法が確立され、多くのスポーツで過去の記録が更新され、スポーツ競技全体がレベルアップしていることを日々感じる。もちろんテニスも。

コーチング論や道具、栄養学・心理学・バイオメカニクスなどの進化も当然だが、トレーニングによって、選手のフィジカル向上が、競技のレベルアップの一役を担っていることは言うまでもない。トレーニングを考えるとき、選手にとって重要なことが、数あるトレーニングの中、どのトレーニングをする事が、競技パフォーマンスの向上に繋がるか?!だ。

ここで、一つの動画を紹介します。トレーニングをしているのは、テニスの田村プロ。まずは動画を見ていただきたい。

何をしているかというと、とてもシンプルなストレッチ。見れば一目瞭然。田村プロには申し訳ないが、とても硬い・・・。動画撮影時、彼の最大開脚は動画の通り。

ジョコビッチに代表されるように、コートカバーの広さは、テニス選手の重要な要素の一つ。トップ選手はハードコートでも、滑るようにフットワークを使いこなし、これなら決まるだろう!!というボールも平気で返してくる。コートカバーを広くする。要は遠いボールにしっかり追いつき、打ち返す。この話をする時、課題となる事が、遠いボールを打つとき、軸がぶれる。身体が曲がる。なので、体幹を鍛えよう。しかし、果たしてそれでよいのだろうか?!

確かに、体幹が弱く、軸ブレが起こる事で悩んでいる選手は多い。だが、田村プロの体幹は決して弱くない。彼のコートカバーを考えると、股関節が硬いこと。それが一番の課題であると、私は解釈している。動画撮影時、コートカバーを広げるために必要なトレーニングメニューは、体幹トレーニングではなくストレッチだ!!

体幹トレーニングだけでなく、多くのトレーニング方法が、ネットや本、雑誌等で紹介されている。しかし、どのトレーニングをする事が、その選手一人ひとりにベストなのか?!それを考えることが、とても重要ある。

風邪薬。何十種類とある。風邪で患者が病院・クリニックに行けば、必ずドクターが診察する。ドクターは、同じ風邪でも、患者一人ひとりの症状を診察し、何十種類とある風邪薬から、ベストなものを処方する。それを処方箋という。

これをトレーニングに置き換えれば、”トレーニング処方”とでもいうべきものが必須だ。ただやれば良い、という事ではない。これからの話は手前味噌になってしまうが、それを行うのがトレーナーだ。

私は、アスレティックトレーナー・ストレングスアンドコンディショニングトレーナー、そしてテニスコーチとして活動している。テニス選手をサポートするうえで、その場その場で各々の分野から引き出しを開けるが、トレーニングの話をする時は、明らかにテニスコーチとしての顔ではなく、ストレングスアンドコンディショニングトレーナー、もしくはアスレティックトレーナーとして選手と接している。身体を考察し、選手に弱点や改善点を聞く。多くの情報を下に、”トレーニング処方”をしている。

田村選手の例をとれば、シンプルな開脚にちょっとテニス要素を足している。コートカバーを考えたとき、ボールに追いつき、足を決めた後、当然ながらボールを打たなければならない。その時、体幹軸は真っすぐであることが望ましいので、支えを使い、軸は真っすぐを意識させている。また、ステップインをする時、つま先は大なり小なり、外に開くことが多いので(真っすぐ入れるときもある)、股関節を外に開かせている。そして、ステップインはかかとからするべきと個人的には思っているので、あえてつま先を上げさせた。後半の部分は、テニスコーチとしての視点も入れている。

自分で、自分たちの事を必要といっていることになってしまうが、是非トレーニングを開始するとき、一度トレーナーに相談してみてほしい。トレーナーは、ただメニューを与えることはしない。選手一人ひとりを必ず考察(トレーナーは評価と呼んでいる)をする。これは選手自身ではできない。仮にトレーナである私が、自分自身を評価しろ、と言われても限界がある。自分の身体でさえ、仮にトレーニングを始めるなら、自分以外のトレーナーに状態を確認してもらう。トレーナーは評価を下に、選手の状況に合わせ、優先順位をつけてトレーニングメニューを作る。

そして、同じトレーニングでも、選手はエラーを起こす。例えば腕立て伏せを選手に課したとき、選手によって腕立て伏せの形は異なる。たった数度。ちょっとした動き。などで、トレーニング効果は変わるし、下手をしたらトレーニングのせいで怪我をする事も考えられる。トレーニング時の姿勢もチェックしてもらう必要がある。

経済的・時間的負担は当然発生してしまうが、競技パフォーマンス向上のために、必須のものと考えてもらいたい。そんな考えが浸透すれば、ますますトレーニング論の進化や、トレーナーの質の向上にも繋がる。

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偉そうに、こんなことを言ってしまっているのだから、私自身、常にトレーナーとして、テニスコーチとして精進しなければ!!という決意も高くなる。さ、明日もレッスンにトレーニングだ!!