お役立ち情報

2017.11.11

テニスメディカルセミナー 「股関節」

 今日は日本テニス協会のテニス・メディカルセミナーに出席してきました。本日のテーマは「股関節」。今回は実際人工股関節置換手術を執刀した医師・手術を受けた患者さんがセミナーに出席され、手術に至る経緯・術式、そして何より術後のテニスに対する経過など、生の声が聴けたとても貴重なセミナーでした。

IMG_5934

 現行の人工股関節置換術。私が思っていた以上に、術後の経過が良いとの報告を受けました。実際手術を受けた方々は「受けることを悩んでいる方は受けるべきだ!!」「術後、テニスができるよになった」との事。人工股関節置換手術後のテニスは、摩耗などの心配や再手術のリスクなどもあり、手術を受けない、と考えている方が多いかと思います。ところが、人工股関節の精度の向上や、エビデンスも増えてきたことから、相当悪化するまで手術は受けない。という形から、症状が重篤になれば、骨や関節の損傷度も上がり、それによる筋力等の低下も進むので、以前より早い段階で手術を選択するケースもあり、との事。もちろんケースバイケースなので一概には言えませんが、股関節で悩まれている方は、一度専門の先生に相談してみるのが良いと思います。


 メディカルセミナーなので、メディカル的要素が多いのですが、テニスのパフォーマンスを考えた時、股関節は非常に大きな役割を果たす関節と考えています。大きな役割があるという事は、そこに問題があればそれだけ良いパフォーマンスの阻害要因になるということ。股関節は球関節と言って、簡単に言うと大きくいろんな方向に動く関節です。下半身と上半身の力の”通り道”としての位置づけでもある股関節。「股関節の使い方をうまくさせたい・したい!!」という声をよく聞きますが、前述したように大きくいろんな方向に動くので、その選手元々の骨格から、筋力・柔軟性の影響も他の関節より大きいと言えますし、何より使い方が難しい。単純に筋力を上げれば良いというものでも、関節が柔らかければ良いという話でもない。

 日本のトッププロも担当しているトレーナーさんの報告では、日本のトッププロでさえ、中々股関節の使い方を理解している選手は少ないとの事なので、私が担当させていただいている選手やジュニアには、より股関節の重要性や使い方を説いていきたいと考えさせていただけた良い機会になりました!!