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2020.01.15

テニスにおけるケガとの向き合い方 ~身体の使い方から考える偏~

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 ケガの予防、トレーニング、ストレッチなどのセルフケア、栄養や睡眠、練習・試合環境など、様々な事に気を付けても、残念ながらスポーツ選手は時に怪我をします。そこで、テニスで発生する怪我とは、他のスポーツとは何が異なるのか?を考えてみたいと思います。

 スポーツはサッカーやラグビーなど、他の選手と接触するコンタクトスポーツと、テニスやゴルフなど、他の選手と接触がないノンコンタクトスポーツ、という2つのタイプに分ける事が出来ます。コンタクトスポーツの場合、トレーニングで丈夫な体を作り上げたり、アメリカンフットボールのように強固なプロテクターを装着していても、大きな衝撃を他の選手から受けたり、踏まれたり、押されたりした場合、怪我を負ってしまうケースがあります。平たく言うと、不可抗力の場合が多々あるという事です。

 しかしながら、テニスは先述した通り、非接触型、すなわちノンコンタクトスポーツです。その為、持論ですが、テニスにおけるケガは、

1. 自身の身体の使い方(スイングなど)や、フィジカル面やスキル不足
2. 過度な練習・試合時間や内容によるオーバーワーク
3. ストレッチやウォーミングアップ・クールダウンなどの不足
4. フットワークスキルによる転倒

 など、コンタクトスポーツのように、他の選手からの接触や衝撃ではなく、選手由来の問題でケガを負うケースが多いと思います。ただ、ボールが直接身体に当たる、審判台等に衝突してしまう等、稀なケースもあります。今回一番伝えたいことが、稀なケースを除き、ノンコンタクトスポーツというテニスで怪我をした場合、その選手自身に受傷原因があるとすれば、それを改善することで、怪我の発生リスクを軽減することが出来るのではないか、という事です。

 怪我とは、「ある一定以上の衝撃を受けた場合、その部位はケガを負う」という言い方ができます。例えば、軽く腕を叩いても痛いだけで、それ以外何も起きません。しかし、同じ場所を強くぶつけてしまった場合はどうでしょう?!その部位にあざや内出血が起き、打撲という状態なります。同じ場所がより強い衝撃を受けた場合、骨が折れ骨折になります。要は、衝撃を受けた場所が、怪我になるレベルのダメージを受けたら、その場所は損傷、すなわち怪我をするということになります。

 ここで、テニスにておいて高確率で発生する怪我の一つ「テニス肘」を例に挙げます。元来テニス肘は、肘の外側(親指側)に発生する怪我を指しますが、近年内側(小指側)の肘を痛めるケースが増えているため、ここでは内外関係なくテニス肘とします。

 捻挫や肉離れのように、急激に発症する怪我のタイプを「急性」と呼び、逆に徐々に発症するタイプの怪我を「慢性」と呼びます。テニス肘は、ほとんどの場合「慢性」タイプになります。テニス肘の発生理由の一つが、誤ったスイングフォームです。平たく言うと、肘に負担のかかる打ち方です。少ない球数や、1日や1週間など、短期間であれば、仮に誤ったフォームでも肘のダメージはさほど大きくなりません。しかし、半年、1年、それ以上と打ち続けてしまうと、肘にある一定以上の衝撃がかかり、テニス肘になってしまうという事です。

 しかしながら、先述した通り、テニスはノンコンタクトスポーツなので、他の誰かに衝撃やダメージを受け、テニス肘になるわけではありません。そして、テニス肘は基本慢性疾患なので、怪我の状態になるまで時間があるとも言えます。肘に負担のかかりそうなフォームで打っていると、早い段階で自覚したり、指摘されれば、テニス肘を回避できる可能性があるという事です。そして、それは自身のテニスフォーム、すなわち「身体の使い方」で、テニス肘を回避・改善できると言えます。

 腱板損傷などの肩の疾患、ヘルニアや分離症などの腰の疾患、慢性半月板損傷や膝蓋腱炎などの膝の疾患。捻挫や肉離れなど、急性の怪我で、回避できない怪我はあるにせよ、テニスには身体の上手な使い方で回避できるであろう、多くの怪我があると考えています。

 ここでも重要なのが、「テニスにおける怪我との向き合い方 ~症状のうちに対処を!!偏~」で記述した、症状が出た時に、しっかりと検査をする事です。テニス肘が重症になった人の多くは、以前から肘に痛みがあることを自覚しています。その初期段階で、適切な処置をすれば、重症化を防ぐ事が出来る可能性が高いといえます。

 そして、テニス肘になりやすい身体の誤った使い方は、大きく分けて

1. 打点
2. 肘を起点としたフォロースルー

 と、考えています。この事に関しては、別途テニス肘に特化した内容をまとめたいと思います。簡単にいうと、遅れた打点や、レベルの高い相手から受けるスピードボールや弾むボールに対してのプレー。打点後、ヘッドをすぐに肘を折りたたむ形で打ってしまう、所謂ワイパースイングといわれるフォロースルーです。

 テニスのみならず、他のスポーツでも一流選手のプレーを見た時、「綺麗」な動きや姿勢だったりします。これは所謂、「無駄のない動き」と表現できます。この場合の「無駄」という意味を、「身体に与える余計な負担」と、解釈しています。もちろん綺麗なフォーム、無駄のないフォームを手に入れる為には、多くの時間、練習やトレーニングに励まなければいけないことは言うまでもなく、その途中でテニス肘など、誤った身体の使い方で、残念ながら怪我に繋がってしまう事もあります。

 身体には限界値があります。これを超えて負ってしまうタイプの怪我が、オーバーワークです。これに関しては、適切な練習や試合・トレーニング時間の調整になりますが、この場合でも、負担が少ない身体の使い方でプレーをすれば、怪我の発生リスクを下げることが出来ると言えます。